みさもふブログ

自分の「好き」に特化した雑記ブログ

海外ドラマ『プリズン・ブレイク』に出てきた冠詞 "a"のネイティヴ流の使いこなし方がかっこいい

f:id:Misa_0x0_fluffy:20170216160547j:image

(出典:FOX公式ホームページ)

 

ネイティヴの冠詞"A"の使い方がかっこいい

『プリズン・ブレイク』という海外ドラマの中で、主人公マイケル・スコフィールドの"あるセリフ"にこの上ないほど感動してしまったことがある。

 

こんなセリフで感動してしまうのは、おそらく私ぐらいなものだろう。

ストーリー展開的には感動的な要素は皆無でごく普通のセリフ。

それでも、あの時の衝撃は今でも覚えている。

 

なぜかというと、私にとっては今までずっと謎の存在でしかなかった冠詞"A"をとても効果的に使っていて、冠詞のもつ意味に気付かされたセリフだったから。

 

そのセリフがでてくるのは『プリズン・ブレイク』シーズン2エピソード3のあるワンシーン。

 

逃亡を図る主人公たちをシーズン2から登場するFBI捜査官のマホーンが追い詰めていくという状況での、逃げるために必要なモノが入っている「ある車」を取りにいこうとする主人公をその兄がひきとめようとしている会話でのこんなセリフ。

 

f:id:Misa_0x0_fluffy:20170216102436j:image

(左:主人公の兄(足、負傷中) 右:主人公マイケル・スコフィールド)

 

 

兄  :Forget the car. We can get another.

    (その車のことは忘れろ。他の車でいい。)

主人公:I don't need a car.

              ( _______?_______ )

              I need that car.

              (あの車が必要なんだ。)

 

私が感動したのは、上記の会話の

I don't need a car.

という、これだけ切り離すとなんともないようにみえる一文。

 

ちなみに、日本語字幕及び吹き替え版では、このセリフを翻訳者は、"I don't need a car. I need that car."の二文を合わせて一文の日本語で下記のように訳していた。

 

      <翻訳>

  • 日本語字幕版「別の車じゃダメだ。
  • 日本語吹き替え版「あの車でなければだめなんだ。

 

この日本語訳のニュアンスからわかるように、

I don't need A car. I need that car. 

ここの冠詞"A"が表しているのは、「一つの」というだけではない。「一般的な◯◯、◯◯ならどれでも、ただの普通の◯◯」という意味合いもこめられている。

さらに、ここでは否定表現の形をとっているので、一般的なものはだめだと否定することで、次に続く特定の"That car" を強調している言い回しになっている。

 

普通に"I don't need a car. "の一文だけ単体ででてくる場合と、今回のような会話の流れの中で使われる場合とで、同じ英文でもニュアンスが変わってくる。

 

今回の場合の"I don't need a car." を和訳するとすれば、ニュアンス的には「(移動手段としての)ただの車が必要なのではない」になるだろうか。

 

(移動手段としての「ただの車」ではだめな理由は、主人公が必要としているのはあくまで逃亡に必要なモノが入っている「あの車」だから。)

 

また、このセリフの冠詞の使い方がわかりやすいのは、文章表現だけじゃなくて、口語として発せられるこの文の言い方、抑揚のつけ方によるところも大きい。

 

主人公を演じている俳優ウェントワース・ミラーは、このセリフを

"I don't need A car.

 I need THAT car."

 

と、通常だったら弱く発音されるはずの名詞"Car"の前の冠詞"A"とそれに対比する"That"だけを、ここでは明らかに意識して、わざとはっきりと発音していた。

 

どれでもいい"A car"ではなく、特定のあの"That car"が必要ということを強調して自分の主張を的確に言い表したセリフ。

 

これぞネイティブ流の冠詞の使いこなし方、ということか。これはかっこよい。

 

 私はこんな英語表現は使いこなせないな、絶対。

 

 

これは見た目は基礎英語レベルの簡単な文構造だけど、使いこなせないという意味では他の複雑な構文とそんなに変わらないくらい実は難しいのかも。

 

 

こういう日本語にない冠詞の概念を完全に理解する難しさは、多くの日本人英語学習者がネイティブレベルにはなれないと感じている「こえられない壁」の一つの障壁な気がした。